バナナのデンプンを顕微鏡観察

デンプン

バナナのデンプンを顕微鏡観察してみましょう。

カットバナナ

バナナの果実の中身をカッター等で数mm程度削り取り、スライドガラス上に乗せます。上からヨウ素液(なければヨード系のうがい薬)を数滴かけ、10分程度静置。

バナナの果実サンプルにうがい薬(ヨウ素液の代用品)をかけて10分間放置

その後余分なヨウ素液(うがい薬)を水で洗い流し、カバーガラスをかけます。
カバーガラスの上から軽く圧をかけてサンプルを押しつぶし、60倍で観察したのがこちら。

バナナの果実(60倍)

視野の真ん中と両端に筋のようなものがみえます。筋の間の部分は、いくつもの黒っぽい小さな粒々が確認できます。

それぞれの部分をさらに拡大して見てみましょう。まずは黒っぽい粒々の部分を150倍で観察します。

バナナのデンプン(150倍)ヨウ素液で染色

バナナのデンプン(150倍)ヨウ素液で染色

黒っぽい粒々はバナナのデンプンです。デンプンはヨウ素液で黒っぽい紫色に染色されているのがわかります。

次に、スジの部分を観察してみます。

バナナの果実の道管(150倍)

筋のようなものはバナナの道管(水を運ぶミクロのホース)です。らせん状の繊維で道管を補強して、ホースがつぶれるのを防いでいます。

バナナの果実の道管(150倍)

バナナの果実は柔らかいため、このようにらせん状の繊維で道管を補強して、外力から水を運ぶパイプを守っているのです。

ちなみに道管の部分を集中的に見たい場合は、バナナをむいたときに皮の内側や果実の表面にくっついているスジの部分を採取し、観察するとよいでしょう。無染色でOKです。

バナナの皮にくっついているスジ部分を採取

 

バナナの道管(600倍)

似たようなものが市販のホースにありました。
(手元に商品がないのでアフィリエイト広告の写真を使用しています)

圧力でホースが容易に変形したり、破損したりしないよう、らせん状の繊維で強化した丈夫なホースです。バナナの道管そっくりですね!

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