小学生向け顕微鏡 (1) 小学校低学年におすすめの入門用顕微鏡(実際の見え方も一部紹介)

顕微鏡の基礎知識

読者の方々のご質問が多かった、「小学生におすすめの顕微鏡」を紹介します。第1回目は、小学校低学年におすすめの顕微鏡です。

小学校低学年の入門用としては、ハンディタイプの簡易顕微鏡がおすすめです。いきなり(小学校の理科の授業で扱うような)据置型の生物顕微鏡を購入するのではなく、まず簡易顕微鏡で顕微鏡の扱いに慣れてから生物顕微鏡を購入するのをおすすめします。

※簡易型顕微鏡といっても使い方を誤れば怪我等の危険を伴います。安全に使用するために、必ず保護者の指導の下で使用しましょう。

 

Do・Nature STV-40M (Kenko)

カメラのフィルター等で定評のあるKenko製の簡易型顕微鏡です。私や子供が実際に使用している機種で、購入から10年近く経っていますが今でも現役です。驚くほど安価なのに観察しやすく、多少手荒に扱っても壊れにくい。軽くてコンパクトなので旅行やキャンプなどお出かけ時には必ずカバンに入れて持っていきます。

・倍率:20~40倍(ズーム)
・照明:透過、落射(電池式白色LEDライト)
・本体カラー:黒色
・付属品:スタンド1台(透過観察用)、スライドガラス・カバーガラス各2枚、専用ケース

簡易型の顕微鏡なので解像度は必ずしも高くなく、倍率も20~40倍と低いです。しかし、この倍率での観察対象は意外と多く、小学校低学年の子供さんがミクロの世界に対する好奇心を刺激するには十分でしょう。また、倍率が高いとピントが合わせにくくなるため、小学生低学年が初めて使用する顕微鏡としては低倍率の方が扱いやすいと思います。

実際に筆者の簡易顕微鏡(Do・Nature STV-40M)を用い、スマホのカメラで顕微鏡を覗き込みながら撮影してみました。まずは田んぼの水に棲むプランクトンです。

田んぼの水にいたプランクトン(カイエビの幼生)40倍

スマホのカメラのズーム機能を併用すると、さらに観察像を拡大して撮影できます。
(以下の写真はスマホの4倍ズームを併用、40倍×4=160倍に拡大)

カイエビの幼生(カメラズーム併用:160倍)

20~40倍は昆虫の拡大観察にも適した倍率です。
蚊の頭を観察してみましょう。

蚊の頭部(40倍)

こちらもズームで拡大すると大迫力!

蚊の頭部(カメラズーム併用:160倍)

ミツバチの羽↓

ミツバチの羽(カメラズーム併用:160倍)

次に、身近なモノを観察してみましょう。
パソコンの液晶画面(OKの文字が表示された部分)↓

液晶ディスプレイ(40倍)

印刷物↓

印刷物を拡大(40倍)

 

次に、タマネギの皮(アセトカーミン染色)を観察してみましょう。

タマネギの皮(カメラズーム併用:160倍)

見え方のイメージ、つかめましたでしょうか。このように簡易型の顕微鏡でも観察対象を選べばある程度は観察可能です。

Do・Nature STV-120M (Kenko)

先ほど紹介したSTV-40Mの高倍率バージョンで、60倍~120倍での観察が可能。STV-40Mを使用していて、もっと高倍率で見たいときにあると便利な1台。

ただし、STV-40Mよりも倍率が高くなる分ピントの合う範囲が狭くなり、ピント合わせに若干の慣れが必要。落射照明での観察のみで、透過観察はできないです。スマホアダプターが付いたSTV-120M WSAがオススメ。

・倍率:60~120倍
照明:落射(単4電池式 白色LEDライト)
・本体カラー:白色

 

RXT203、RXT300 (レイメイ藤井)

Kenko以外には、レイメイ藤井の簡易型顕微鏡も定評があります。

代表的な機種として倍率60~120倍のRXT203、倍率100~200倍のRXT300があげられます。いずれもKenkoのSTV-40Mに比べて倍率が高めで、RXT203は透過観察に対応していないことに注意が必要です。(RXT300は落射、透過の両方に対応)

RXT203

・倍率:60~120倍
照明:落射(電池式白色LEDライト)、
UVライト付属

・本体カラーバリエーション:3色
(ピンクRXT203P/グレーRXT203N/グリーンRXT203M)

RXT300

・倍率:100~200倍
・照明:透過、落射(電池式白色LEDライト)、
UVライト付属
・スマホ撮影アダプター付属
・本体カラーバリエーション:3色
(イエローRXT300Y/グレーRXT300N/グリーンRXT300M)

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