米麹(総破精麹/突き破精麹)

コウジカビ(麹菌)

甘酒や味噌、醤油の原料として古くから利用されている米麹を顕微鏡観察しましょう。
少し気の長い話になりますが、まずは米麹を作るところから始めます(笑)。

蒸した米に種麹を混ぜ、麹菌(コウジカビ)を繁殖させて米を発酵させていきます。米の状態(全体の含水量や表面の乾き具合)や、繁殖時の温度・湿度によって米麹の出来具合は大きく変わるとされ、この状態は「破精(はぜ)」と呼ばれます。

破精とは、米麹におけるコウジカビの繁殖状態を表す用語です。例えば、コウジカビが米粒の表面全体を覆い、さらに内部にも菌糸の生育が進んでいるものを「総破精(そうはぜ)麹」、米粒の表面を部分的に覆い、その覆われた部分では内部にも菌糸が伸びているものを「突き破精(つきはぜ)麹」と呼びます。

今回は、筆者のラボにある恒温恒湿槽(温度・湿度を高精度に制御できる装置)を用いて、総破精麹と突き破精麹を作製しました。早速、顕微鏡で観察したのがこちら↓

米麹(総破精)

総破精型の米麹は、米の表面全体をコウジカビの菌糸が覆っておりモコモコで、きれいな白色をしています。米の内部にも菌糸が食い込んでいるようで、しっかりした弾力があります。

米麹(総破精麹)表面近傍 (対物4倍)

米麹(総破精麹)表面近傍 (対物10倍)

 

では、突き破精型の米麹はどのように見えるのでしょうか。

米麹(突き破精)

コウジカビの菌糸は米全体を覆っておらず、ところどころ米の表面が露出しています。

菌糸の生育条件を変えると、同じ突き破精でも、菌糸の被覆率を変えることができます。いずれの場合においても表面の水分より内部の水分率を高めに制御することで、菌糸の米内部への食い込みを促進し、「突き破精」の状態を作っています。

米麹(突き破精)コウジカビの被覆率低めの状態。対物4倍で観察

麹(こうじ)は、「糀」とも書きます。後者は明治時代に日本で作られた漢字で、米に花が咲いたように見えることに由来するといわれています。顕微鏡で観察すると、確かにまるでお花畑のように見えますね。

米麹(突き破精麹)表面近傍 (対物10倍)

 

 

 

 

 

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