ヨーグルトの乳酸菌を顕微鏡で観察してみましょう。
生きている状態を確認するため、まずは固定も染色も行わずに観察してみます。
ヨーグルトの固形分が透過光での観察を妨げるので、できるだけ固形分が含まれていない状態で観察するのがコツです。
具体的には、ヨーグルトから分離した透明な上澄み液(乳清)をスポイドでゆっくりと吸い上げ、スライドガラスに滴下、カバーガラスをかぶせて1000倍で観察します。
糸くずのような形状をした透明な物体が、活発に動いているのが観察できました。
細長い形状の乳酸菌は、Lactobacillus(ラクトバシラス)属の乳酸桿菌で、数珠つなぎの形状のものが、Streptococcus(レンサ球菌)属の乳酸菌です。
観察手法を変えると、こんな風に立体的に観察することもできます。
乳酸菌は透明で動き回ったりして顕微鏡観察しにくいため、通常は固定、染色を行います。
先ほどのヨーグルトの透明な上澄み液(乳清)をスライドガラス上に1滴滴下、コーンラージ棒でうすく広げて乾かします。コーンラージ棒がない場合は、カバーガラスで代用しても良いでしょう。
その後、乾燥したスライドガラス上のサンプルにメタノールを1滴滴下し、固定処理を行います。
サンプルが乾いたら、その上に染色液(今回はメチレンブルーを使用)を1滴垂らします。
数分間静置して(サンプルの乳酸菌に染色液が十分行きわたった後に)、余分な染色液を流水で流します。
流水が直接サンプルに当たると乳酸菌がスライドガラスから剥がれてしまうので、スライドグラスの裏面(サンプルが乗っていない側)から水をかけます。
スライドガラスの裏側についた水滴を拭き取り、サンプルにカバーガラスをかけて1000倍で観察ししたのがこちらです。
乳酸菌が青く染まっているため、先ほどの無染色と比べて観察しやすいです。
ヨーグルトによって含まれている乳酸菌の種類や比率がどれ位異なるか、今後確認していく予定です。