タマネギの表皮細胞を顕微鏡観察

顕微鏡観察《ミクロの世界》

中学の理科の時間に習いますが、
ふだん食べているタマネギの白い部分の1枚1枚を「りん葉」といいます。

今回は、タマネギのりん葉の表皮細胞の構造を顕微鏡観察してみましょう。

タマネギのりん葉の裏側にある「薄皮」をピンセットではぎ取り、
カッターナイフ等で5mm角位にカットします。

 

まずは染色せずに観察してみましょう。

スライドガラスに試料を乗せて、スポイドで水を1滴たらし、その上にカバーガラスをかけます。

標準的なコントラストで、100倍で観察するとこちらのような感じに見えます。

細胞壁はくっきりとしていますが、細胞の中の構造は透明でよくわかりません。

コンデンサーのしぼりを絞ったり、光を斜めから照射したりして、コントラストを上げて観察します。
すると、細胞の中に丸い「核」が見えてきました。

対物レンズを変えて、250倍まで倍率を上げてみます。

1つ1つの細胞の中に、球状の核が入っているのが見えます。真ん中の細胞の核にピントを合わせると、核の中に小さな粒状のものが2つ入っているのがわかります。核小体です。

通常、無染色のサンプルは、高価な微分干渉顕微鏡や位相差顕微鏡を使って観察しますが、ベーシックな光学顕微鏡でも光の当て方を工夫すると、無染色でも上の写真のように透明なサンプルを「ある程度」観察することができます(邪道ですが(笑))。

 

次に、サンプルを染色して観察してみましょう。

染色液は、サフラニンを使用しました。(もちろん、酢酸カーミンや酢酸オルセインでもOKです。)

先ほどの5mm角程度のタマネギの薄皮に、サフラニン染色液を1滴たらし、10分程度放置します。その後、水で余分な染色液を洗い流してから、カバーガラスをかけて観察します。

核がはっきり見えるようになりました。また、細胞壁の内側の濃いオレンジ色に染まった部分が動いているのが観察できます(原形質流動)。

1000倍まで拡大すると、核の中に核小体(仁)が2つ入っているのがはっきりと確認できます。

核小体は核の中でも分子密度の高い場所で、rRNAの転写や、それに伴うリボソーム構築が行われています。細胞が活発に機能しているときに発現するため、核によっては2つ以上の核小体が観察できる場合もあるし、1つも観察できない場合もあります。

 

 

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