いろいろな布を顕微鏡観察してみましょう。
布を数mm角に切ってスライドガラスにのせ、顕微鏡観察します。
多くの布地は光を通しにくいため、布の斜め上からLED懐中電灯で光を当てたりして、反射光で観察を行っています。薄い不織布やガーゼなど、光を透過しやすい布については透過光でも観察しています。
では早速みていきましょう。
ガーゼです。肉眼では太い繊維のように見えますが、顕微鏡で見ると細い繊維が束ねられていることがわかります。繊維の間に適度に隙間があるため、毛細管現象を発現しやすく高い吸水性があります。
不織布。繊維は束ねられておらず、ランダムに積み重なって層をなしています。
不織布がガーゼほど吸水性がないのは、(合成繊維表面の親水性がガーゼ(綿素材)ほど高くないのに加えて、)繊維が束ねられていないために繊維と繊維の隙間が大きく、毛細管現象を発現しにくいからかもしれません。
シルク。1本1本の繊維が細く、5~10μm程度です。
繊維の細さもさることながら、織り方も緻密で、肌触りはとても滑らかです。
めがねふき。シルクほどではないが1本1本の繊維が細いです。
雨傘の表面(ポリエステル生地)。
たて糸とよこ糸が交互に織り込まれた平織であることがわかります。
平織は丈夫で摩耗に強いという特徴があるので、雨傘のような耐久性が要求される用途に多用されています。
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