値札についているRFIDタグ(ICタグ)を顕微鏡観察

顕微鏡観察《ミクロの世界》

最近、セルフレジを利用することが多くなってきました。

セルフレジの中には、スーパーマーケットのレジのように自分で商品をスキャンする必要のあるものだけでなく、ユニクロやGUのように、商品を置くだけで瞬時に自動的にスキャンが完了するセルフレジもあります。後者は自分でスキャンする手間が省け、清算時間を大幅に短縮し、レジ待ちの行列を減らすメリットがあります。

ユニクロやGUのセルフレジが、なぜ商品を置くだけで瞬時にスキャンが完了するのかというと、商品の値札にRFIDタグというICタグ(ICチップ)が埋め込まれていて、レジが商品の値札と無線で通信して値段の情報を非接触で読み取ることができるからです。

従来のバーコード方式のレジの場合は、バーコードリーダーの光をバーコードの面にしっかり当てないと読み取れないですが、RFIDタグの場合は無線通信のため、商品どうしが重なって値札が見えない状態でも読み取ることができます。

 

では、実際に値札に埋め込まれているRFIDタグを観察してみましょう。

GUのRFIDタグ

値札の裏側。RFIDタグ(ICタグ)が貼付されていて、 アンテナ配線パターンがうっすらと透けて見える。

こちらは筆者が購入したGUのズボンの値札の裏側の写真です。光を当てるとうっすらと迷路のような配線パターンが浮かび上がってきます。

しかし、私のミスでタグの上に貼ってあるシールをうまく剥がすことができなかったため、別の、ユニクロの靴下の値札についていたRFIDタグを観察していくことにします(苦笑)。

矢印のところにICチップが埋め込まれています。顕微鏡で拡大してみましょう。

光を斜めから当てるとICチップの部分が金色に輝いています。

チップ部分を拡大。80倍で観察。微細な回路パターンが形成されているようには見えないので、回路は反対側なのでしょうか。

ICチップの拡大部分

チップをピンセットではがして、反対側を顕微鏡で観察してみます。

ユニクロの値札についていたRFIDチップの反対側。100倍で観察。

黒っぽい樹脂がチップ表面をうっすらと覆っているため、チップ表面の状態はよくわかりませんが、なんとなくパターンらしきものが見えるような気がします。

さらに拡大して観察してみましょう。

RFIDタグのICチップ 250倍で観察

チップの右上に端子のような四角いパターンを確認しました。こちらの面に回路がありそうです。

いかんせん黒い樹脂が邪魔をしてよく見えないので、チップをマニキュア除光液に浸漬して表面の樹脂を除去しようと試行中です。

 

このICチップですが、データを記憶させることが可能で、商品の種類や値段、場合によっては製造ロットなどの情報を記憶させて、無線通信で読み出したり書き込んだりすることができます。

今から5年ほど前は、RFIDタグの価格がまだまだ高くて、1枚当たりの単価が10円以下にならないと普及しないだろうと言われていました。しかしこれだけ色々な商品に使われるようになってきて量産効果も出ているので、おそらく用途によっては現在は10円を切っており、将来的には1円以下まで下がっていくものと思われます。

10円を切ったので、これからどんどん普及していくでしょう。なぜなら、RFIDタグは、単にセルフレジのみならず、物流や店の商品管理の際などにも便利で、例えば箱の中身が見えなくても無線のリーダーをかざすことで箱を開けずに中の商品を知ることができるし、棚卸の際に商品を手で数えることなくタグとの通信で商品在庫を管理することができるからです。つまり、ほとんど人の手をかけずに物流や店舗の商品管理ができることから、タグのコストが問題にならないほどの省コスト化、効率化が期待できます。

 

 

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