きゅうりの断面を顕微鏡観察

今日の昼食はカレーとサラダです。前回までに（サラダに入っている）レタスとミニトマトは顕微鏡観察しましたが、キュウリはまだ観察できていませんでした。早速食後の顕微鏡観察を始めましょう。

まずは、プレパラートの作成です。

キュウリの皮近傍を安全カミソリで何回かこすりつけ、薄片を作成します。得られた薄片をスライドガラスに載せ、水を1滴たらし、その上からカバーガラスをかけて完成。

まずは低倍率（60倍）で観察します。

きゅうりの断面（60倍）表層部分

キュウリは大まかに最表層の無色透明の細胞、表層近傍の緑色の細胞、その下の比較的サイズの大きい無色透明の細胞から構成されていることがわかります。写真下の方には2か所、白っぽく見える部分もあります。

もう少し拡大して詳しくみていきしょう。

きゅうりの断面（100倍）表層部分

キュウリの表層は比較的形の揃った無色透明の四角い細胞でびっしりと覆われていることがわかります。

きゅうりの断面（600倍）最表層部分

表層細胞は一層で、葉緑体は含まれていません。対して、その下の細胞は不定形で、緑色であることから葉緑体の存在が推察されます。緑色をした細胞は表層近傍の数層～十数層程度で、その下は無色透明の比較的大きな丸い細胞で占められています。

きゅうりの断面（100倍）無色透明の細胞の中に、所々白っぽく見える部分が確認できる

無色透明の丸い細胞は表層の細胞に比べて大きく、中に水がたっぷりと蓄えられているように思われました。その透明の丸い細胞の中に、所々白っぽく見える部分がありますが、これは一体何でしょうか？

わかりやすくするために、あえてコントラストを過剰にして観察してみましょう。

きゅうりの断面（100倍）コンデンサー・絞りの調整により白っぽく見える部分のコントラストを強調

すると白っぽく見える部分も小さな細胞の集合体で、真ん中に何か丸いものが存在していることがわかります。さらに倍率を上げてみましょう。

きゅうりの断面（600倍）維管束部分

丸く見える部分は大小束ねられた管（パイプ）ですね。白い部分は維管束であることがわかりました。

このパイプは、道管か師管かはっきりわかりません。らせん状に補強されたパイプ形状がきゅうりの茎や他の植物の道管に類似していることから、おそらく道管ではないかと推察しています。

色水を通してみるとはっきりするかもしれません。機会があれば、そのあたりの確認実験も行ってみようと思います。ではまた。