前回、米麹に含まれているコウジカビ(麹菌)を顕微鏡観察しました。
コウジカビを顕微鏡観察
味噌や醤油などの発酵食品に使われているコウジカビ(Aspergillus oryzae )を観察してみました。 料理用で市販されている米麹を、料理で使用する前にスパチュラでちょこっとサンプル採取。 プレパラートに乗せて、カバーグラスをかけて...
今度は味噌に含まれているコウジカビを顕微鏡観察してみましょう。
わが家の冷蔵庫に入っていた味噌はこちら。
丸の内タニタ食堂の減塩みそ。20割糀ということで、米麹と大豆の比率が2:1の割合になっており、コウジカビが多めに入っているようです。顕微鏡観察には好都合ですね(笑)
味噌を水に薄めて、スライドガラス上に1滴滴下、カバーガラスをかけて250倍で観察したのがこちら。
いきなり菌糸を確認。
視野を変えてみましょう。大豆と思わしき固形物が確認できます。
視野を変えながら観察していると、たしかに大豆の固形分よりも、コウジカビをよく見かけます。
コウジカビ(麹菌)は自らが生み出す酵素によってデンプンを糖類に、タンパク質をアミノ酸に変換する働きがあります。
味噌の原料の大豆には、良質なタンパク質とデンプン質が豊富に含まれており、コウジカビによってアミノ酸(旨味成分)と糖類(甘味成分)が増し、「おいしく」なるのです。
また、アミノ酸や糖類の多くは水に溶けやすいため、味噌は大豆そのものを食べるよりも体に吸収されやすく(消化されやすく)なっています。
顕微鏡観察の際、意外と大豆の固形物が少ないと感じたのは、大豆の成分の多くがこうしたアミノ酸や糖類に変換されていて、水を加えた際に溶けてしまったからだと思われます。
その夜、わたしはコウジカビの働きに感謝しながら、味噌汁をおいしくいただきました。
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