先日、家にある観葉植物(サボテン)の土を入れ替えたのですが、買ってきた土の成分をみると、その中に珪藻土が含まれていました。
珪藻土とは、植物プランクトンの珪藻の化石を多く含む土のことで、大昔に海や湖に生息していた珪藻の死骸が長い年月をかけて堆積し、化石化して土になったものです。
珪藻の殻はガラス質で無数の小さな孔を持つものが多く、化石になっても顕微鏡でその特徴的な殻の形状を観察することができます。
では、実際に観葉植物の土に含まれる珪藻(の化石)を顕微鏡観察してみましょう。
今回観察に用いた土は、「サボテン・多肉植物の土」(LIFELEX)です。ホームセンターのコーナンで2〜300円位で売られていたものです。
ごく少量(小さじ1杯程度)の土をガラス容器に入れて、水を加えてかき混ぜます。1〜2分静置すると、土が水の中で上下に分離してきます。
ここで、水に浮いている上の部分は、土の成分のバーミキュライト(空気がふくまれていて水より軽い)、水に沈んでいる部分は砂を固めたもの(水より重い)です(たぶん)。
で、珪藻はというと、中間の白く濁っている水の部分の中にいると思われます。このまま放置して時間が経つと沈んで透明になってしまうので、かき混ぜてから数分以内にスポイドで中間部分の濁った水を採取します。
採取した水は、すぐにスライドガラスの上に滴下、カバーガラスをかけて低倍率から観察していきます。
まずは対物10倍(カメラでの倍率150倍相当)で観察したのがこちら

観葉植物の土(珪藻土含有)40倍
鉱物のような端が尖った無数の細かい欠片に混じって、珪藻の破片のようなものがちらほら確認できます。
視野を変えてもう少しこの倍率で観察を続けてみましょう。

観葉植物の土(珪藻土含有)150倍。規則正しい孔があいた珪藻が確認できる。
視野の真ん中左上付近に、珪藻らしき孔のあいた物体が確認できました。
対物レンズを40倍(カメラでの倍率600倍)に変更して、さらに観察を続けていきます。

観葉植物の土(珪藻土含有)600倍
対物レンズ40倍で観察すると、これまで鉱物の欠片だと思っていた物体にも細かい模様や孔の存在を確認でき、意外に多くの珪藻が含まれていることがわかりました。
さらに観察を続けていきましょう。

観葉植物の土(珪藻土含有)600倍。多数の珪藻を確認できた。
このように、とても簡単な方法で珪藻(の化石)を観察することが可能です。
今回は観葉植物の土に含まれている珪藻土を観察しましたが、他の土(例えば、ホームセンター等で販売している、土壁のリフォームに使う珪藻土単体とか)にはどんな珪藻が含まれているのでしょうか。いろいろと興味は尽きないです。
もうすぐ夏休みですが、大人の自由研究(もちろん、お子様の自由研究も!)のネタにいかがでしょうか。
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