先日購入したトイグレードの顕微鏡(LAKWAR双眼顕微鏡 VL30)の見え味や使い勝手を少しでも良くしようと、現在メンテナンスを行っています。具体的には、光軸を調整したり、クレンメルを市販のメカニカルステージに取り換えたりしています。
光軸調整については、元々の対物レンズが価格相応の性能だったため、見え味が多少改善した程度でした。しかし、クレンメルをメカニカルステージに換装したところ、操作性が大幅に向上しましたので、今回はその内容をご紹介します。
換装前は、プレパラートを直接手で動かしていたため、細かい調整が難しく、特に高倍率で観察する際に動かしすぎてしまうことがあり、操作中にストレスを感じていました。
メカニカルステージに換装したことで、サンプルを写真左上の2か所のツマミを回して上下左右にゆっくり動かせるようになり、操作が驚くほど楽になりました。
簡易型のメカニカルステージをネット通販等で探すと似たような商品がいくつも販売されていますが、固定用の穴の配置が少なくとも2パターン存在しているようで、間違ったパターンの商品を購入すると顕微鏡に取付けできなくなるので注意が必要です。
上の写真は、顕微鏡のステージを拡大した部分です。黄色で囲んだ3か所の穴が、メカニカルステージを固定するためのものです。このうち中央の1か所は、固定と締付けのためのネジ穴です。写真の上下2か所の小さな穴は、メカニカルステージが中央のネジ穴を中心に回転しないように固定するピンが入る穴となっています。
この顕微鏡の穴の配置は、中央のネジ穴と上下2か所の小穴が一直線に並んでいるタイプです。(中央のネジ穴と2か所の小穴が一直線に並んでいないタイプもあるため、注意が必要です)
今回購入したのは、こちらの顕微鏡用の可動ステージになります。
裏面の取付用のピンは一直線に並んでいます。
この顕微鏡に上記のメカニカルステージを取り付けたところ、ぴったり装着することができました。しかし、ここで少し問題が発生しました。ステージの奥行きが浅いため、プレパラートの上下方向の可動域が制限されてしまったのです。この状態では、プレパラートを上下方向に十分に動かすことができません。
この問題を解決するには、奥行きの小さいメカニカルステージを選ぶか、メカニカルステージの取り付け位置を後ろにずらす方法が考えられます。最初は前者を検討し、他の商品を探してみましたが、奥行きなどの詳細なサイズが記載された商品がほとんど見つからず、新たに購入しても問題が解決するか確信が持てませんでした。そこで、後者の方法を試すことにしました。
上の図のように角棒をステージに接着し、そこに穴をあけて固定しました。
結果、メカニカルステージの位置を約1cm後方にずらしたことで、プレパラートの上下方向の可動範囲を広げることができました。
以上、トイグレードの顕微鏡に簡易型メカニカルステージを装着してみた結果を紹介しました。多少の改良は必要でしたが、接着・固定を行えば安定し、問題なく使用できています。簡易型のメカニカルステージは安価なため動作に不安を感じていましたが、意外にも(失礼!)スムーズに動作し、観察がとても楽になりました。
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